ハミルトンの正準方程式とは?
はみるとんのせいじゅんほうていしき
ハミルトンの正準方程式とは、古典力学を位置と運動量の対で記述する運動方程式の組です。
ハミルトンの正準方程式とは、ニュートン力学をより対称的・一般的な形式で表した運動方程式です。アイルランドの数学者ウィリアム・ローワン・ハミルトンが19世紀前半に定式化したもので、ハミルトン力学(正準力学)の中核をなします。
ラグランジュ力学では位置と速度を基本変数として用いますが、ハミルトン力学では一般化座標(q)と一般化運動量(p)を独立変数に取ります。系のエネルギーを表すハミルトニアン H(q, p, t)を用いると、正準方程式は次の二式で表されます。
- dq/dt = ∂H/∂p(座標の時間微分は H の運動量偏微分)
- dp/dt = −∂H/∂q(運動量の時間微分は H の座標偏微分の負)
この形式は変数を二倍に増やす代わりに、方程式を一階の連立微分方程式として整理できるという利点があります。さらに正準変換・ポアソン括弧との相性がよく、量子力学の交換関係への移行(量子化)においても自然な出発点となります。統計力学における位相空間の議論や、天体力学・加速器物理など幅広い分野で活用されています。
使い方・例文
量子力学の基礎を学ぶ授業や、天体の長期軌道シミュレーションの定式化を行う場面でよく登場します。
この用語をシェア
最終更新: