本文へスキップ

ハオリムシとは?

はおりむし

ハオリムシとは、深海の熱水噴出孔周辺に生息する大型の管棲多毛類で、消化器官を持たず化学合成細菌との共生によって栄養を得る独特の動物です。

ハオリムシ(羽織虫、チューブワーム)は、深海底の熱水噴出孔や冷湧水域に生息する多毛類(環形動物)の一群です。白いキチン質の管の中に体を収め、管の先端から鮮やかな赤い羽根状の触手(プルームと呼ばれるエラ)を伸ばす姿が特徴的です。体長は数十センチから最大2メートル以上に達するものもあり、深海生物の中では比較的大型の部類に入ります。

ハオリムシの最大の特徴は、消化管を全く持たないことです。その代わりに体内に「トロフォソーム」と呼ばれる特殊な組織を持ち、この中に化学合成細菌を大量に共生させています。共生細菌は熱水に含まれる硫化水素などを酸化して有機物を合成し、ハオリムシはその有機物を栄養源として利用します。太陽光に依存しない生態系の代表例として、生命の多様性を示す重要な生物です。

ハオリムシの生物学的特性をまとめると以下の通りです。

  • 口・消化管・肛門を持たない
  • 体内に化学合成細菌を共生させる特殊組織(トロフォソーム)を持つ
  • ヘモグロビンが赤い羽根状構造に含まれ酸素と硫化水素を運搬
  • 成長速度は比較的速く、深海生物の中では短命とされる

ハオリムシが最初に発見されたのは1977年で、米国の調査潜水艇「アルビン号」がガラパゴス諸島沖の熱水噴出孔を調査中に観察しました。この発見は、太陽光のない深海にも豊かな生態系が存在することを証明し、生命の可能性について大きく人々の認識を変えました。

使い方・例文

深海生物の多様性や光合成に依存しない生命の形を学ぶ理科・生物学の授業では、ハオリムシは「化学合成生態系の象徴」として紹介され、宇宙の極限環境における生命探索の話題にも登場します。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語