ティルとは?
てぃる
ティルとは、氷河が運搬・堆積した、粒度の揃っていない礫・砂・粘土の混合物からなる堆積物のことです。
ティル(till)とは、氷河または氷床が直接堆積させた堆積物のことで、大小さまざまな粒径の岩片・砂・シルト・粘土が分級されずに混在しているのが最大の特徴です。「氷河砂礫」や「ティライト(tilite)」(固化したもの)とも関連する用語があります。
通常の河川や風による堆積物は、運搬力によって粒子が大きさごとに選別(分級)されますが、ティルは氷河が融けることなく直接落とした堆積物であるため、巨大な岩塊から粘土粒子まで無秩序に混合した「非分級性」を示します。これがティルを他の堆積物と区別する最も重要な性質です。
ティルはその形成環境によっていくつかの種類に分けられます。
- 底部ティル(basal till):氷河底面の侵食・堆積で生成。最も圧密されて硬い。
- 融出ティル(melt-out till):氷中に含まれていた砕屑物が融解とともに堆積したもの。
- 流動ティル(flow till):融解水の影響で泥流状に流れて堆積したもの。
ティルが広域に堆積・圧密された地形を「ティライト層」と呼び、先カンブリア時代の氷河時代の証拠としても世界各地で発見されています。農業においては、ティルを含む土壌(例:カナダ・米国中西部のプレーリー土)が豊かな栄養源となることがあります。
使い方・例文
地質調査でボーリングコアや崖の断面を観察する際、粒度が混在した締まった地層として「ティル」が確認されます。氷河の到達範囲や堆積履歴を調べる際の重要な材料です。
この用語をシェア
最終更新: