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漂礫とは?

ひょうれき

かつての氷河が遠方から運んで堆積させた岩石・石礫のことで、周囲の地質とはまったく異なる岩質を持つことが多い特徴的な地形要素です。

漂礫(ひょうれき、英語:erratic boulder)とは、氷河によって元の産地から遠く離れた場所まで運搬・堆積した岩石や礫(れき)のことを指します。氷河が前進する際に底部や側面の岩盤を削り取り、その破片を氷体の中に取り込んで長距離にわたって輸送します。氷河が後退・融解するとその場に取り残されるため、周囲の地質とはまったく異なる岩石が突如として現れることになります。

漂礫の特徴は次のとおりです。

  • 産地(岩石の発生源となった露頭)と堆積地点が数十〜数百キロメートル離れることがある
  • 周囲の地層・岩盤とは明らかに岩質・岩相が異なる
  • 表面に氷河による擦り傷(条痕)が残っている場合がある
  • 巨礫から小石まで様々な大きさのものが存在する

漂礫はかつての氷河の流路や分布域を復元する重要な手がかりとなります。たとえばスカンジナビア半島起源の岩石がドイツ北部の平野に散在していることから、最終氷期に巨大な氷床がヨーロッパ北部を覆っていたことが推定されています。

日本でも北海道や東北の一部に氷河期の痕跡とみられる巨礫が確認されており、地形学・地質学上の重要な研究対象となっています。また大きな漂礫は古来から「神の石」「烏帽子岩」などと呼ばれ、地域の信仰の対象になることもありました。

使い方・例文

スウェーデン原産の花崗岩の巨礫がデンマークの丘陵地帯に転がっているといった例が典型的な漂礫の事例で、地質調査の際に過去の氷河の動きを追う手がかりになります。

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