スピン磁気モーメントとは?
すぴんじきもーめんと
スピン磁気モーメントとは、電子などの素粒子が持つスピン角運動量に由来する固有の磁気的性質のことです。
スピン磁気モーメント(spin magnetic moment)とは、電子・陽子・中性子などの素粒子がスピン角運動量 S に対応して持つ磁気モーメントのことです。古典的には荷電粒子の自転による電流ループが磁気モーメントを生むイメージで語られますが、スピンは純粋に量子力学的な自由度であり、「実際に回転している」わけではありません。
電子のスピン磁気モーメント μₛ は次の関係で表されます。
μₛ = −g × (e/2mₑ) × S
ここで e は素電荷、mₑ は電子質量、g はランデの g 因子です。電子の g 因子は古典的な予想(g = 1)と異なり g ≒ 2 であり、量子電磁力学(QED)による精密計算では g ≒ 2.002319 という値が得られます。この値は実験と 10 桁以上の精度で一致し、QED の大きな成功の一つとされています。
スピン磁気モーメントは物質の磁気的性質に直結しており、次のような現象・技術の基盤となっています。
- 強磁性・反強磁性・フェリ磁性などの磁気秩序
- 核磁気共鳴(NMR)・電子スピン共鳴(ESR)
- MRI(磁気共鳴画像法)
- スピントロニクスデバイス(磁気抵抗メモリなど)
スピンの向き(上向き・下向き)は量子情報処理における「量子ビット」の物理的な実現手段の一つとしても注目されています。
使い方・例文
MRI検査では水素原子核のスピン磁気モーメントが外部磁場と相互作用して共鳴する現象を利用しており、スピン磁気モーメントが医療画像診断の根幹を支えています。
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