グラゴール文字とは?
ぐらごーるもじ
グラゴール文字とは、9世紀に東ローマ帝国の聖キュリロスが考案したスラヴ語表記用の文字で、スラヴ系言語のために作られた最初の文字体系です。
グラゴール文字(Glagolitic alphabet)は、9世紀半ばに東ローマ帝国の宣教師である聖キュリロス(キリル)によって考案されたとされる文字体系です。スラヴ語を表記するために作られた最初の文字で、当時スラヴ民族へのキリスト教布教活動の一環として聖書や典礼書を翻訳するために用いられました。
グラゴール文字の成立背景は、863年頃に始まったモラヴィア(現在のチェコ・スロバキア地域)への宣教活動にあります。キュリロスと弟の聖メトディオスは、現地語による典礼の普及を目指し、スラヴ語を書き表せる文字を必要としていました。グラゴール文字はこのために考案され、スラヴ語の音韻体系に合わせた独自の形状を持っています。
グラゴール文字の主な特徴は以下の通りです。
- 丸みを帯びた装飾的な形状が多く、他の文字体系との類似性が少ない独自のデザインを持つ
- 40文字前後で構成され、スラヴ語の音素をほぼ網羅していた
- 後にキリル文字が普及するにつれ、使用範囲が限定されていった
- 現在もクロアチアの一部の典礼文書や記念碑に残っている
グラゴール文字はやがてキリル文字に主役の座を譲りましたが、これはグラゴール文字を基にしてギリシャ文字の要素を加えたキリル文字の方が普及しやすかったためとされています。文字史の観点では、スラヴ文化圏の文字の起源として重要な位置を占めています。
使い方・例文
言語学や中世ヨーロッパ史の研究において、スラヴ語の文字の起源を論じる際にグラゴール文字が取り上げられます。クロアチアでは観光地の石碑や記念碑にグラゴール文字が刻まれており、文化的なアイデンティティの象徴として今も目にすることができます。
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