カゼイン絵具とは?
かぜいんえのぐ
カゼイン絵具とは、牛乳から抽出したタンパク質「カゼイン」を展色剤(バインダー)として使用した水溶性の絵具で、マットで落ち着いた仕上がりが特徴です。
カゼイン絵具(Casein paint)は、牛乳に含まれるリン酸タンパク質「カゼイン」をアルカリ(石灰水やアンモニアなど)で溶解・乳化させた物質を展色剤として顔料と混ぜた絵具です。カゼインは古代から天然の接着剤や画材として使用されており、その歴史は中世ヨーロッパの板絵や壁画技法にまでさかのぼります。
カゼイン絵具の主な特徴は以下のとおりです。
- マットな表面:乾燥後につや消しのしっとりとした質感が得られる
- 速乾性:水彩よりも速く乾き、テンペラに似た重ね塗りができる
- 付着力の高さ:キャンバス・紙・木板・石膏地など多様な支持体に定着しやすい
- 耐水性:乾燥後は水に対しある程度の耐性を持つ
水を加えて薄めることができ、広い面積を均一に塗りやすいため、イラストレーション・ポスター・舞台美術・壁面装飾などに好んで使われてきました。現代ではアクリル絵具に押されて使用機会は減りましたが、独特のマット感と色の深みを求める画家やデザイナーに今も愛用されています。環境負荷が低く天然素材由来であることも近年再評価される理由の一つです。
使い方・例文
油彩やアクリルとは異なるつや消しの質感を出したいときに、カゼイン絵具が選ばれることがあります。版画の下絵描きや舞台の書割(書き割り)背景の制作でも使用されてきました。
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