オベルスとは?
おべるす
オベルスとは、本文中に疑問・注記・削除を示すために使われてきた「÷」や「†」などの記号で、校訂・出版の歴史的な補助記号です。
オベルス(obelus、複数形:obeli)は、古代から中世の写本・印刷物で使われてきた校訂記号の一種で、テキストの疑わしい箇所・削除すべき箇所・注釈が必要な箇所に付された記号です。文脈や時代によって「÷」(除算記号に似た横棒付き点)や「†」(短剣符・ダガー)の形で表されます。
オベルスの歴史は古代ギリシアに遡り、アレクサンドリア図書館の学者アリスタルコスらが叙事詩の写本校訂において、疑わしいまたは不正な行を示すために「−」(水平線)の記号を用いたのが起源とされます。この記号が後に点を加えた「÷」の形に変化しました。
オベルスの主な用途には次のものがあります。
- 写本・聖書研究での疑わしい箇所や後世の挿入の指摘
- 校訂テキストにおける削除・疑問の印
- 脚注・注釈を示す参照記号(短剣符「†」の形で現在も使用)
- 数学・算術での除算記号「÷」としての転用(17世紀以降)
現代では「÷」は主に除算の記号として知られていますが、これはもとはオベルスに由来します。また「†」(短剣符・ダガー)は脚注の参照記号として現在も学術書・辞典などで広く使われており、オベルスの機能を引き継いでいます。言語学・出版・校訂の分野で記号の歴史を語る際に登場します。
使い方・例文
学術書の脚注を示す記号「†」(ダガー)はオベルスの一形態で、「*」(アスタリスク)と組み合わせて複数の注釈に順番に付けられます。
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