アンチロマンとは?
あんちろまん
アンチロマンとは、従来の小説の約束事(筋・人物・心理描写)を意図的に解体した20世紀フランスの前衛的小説手法です。
アンチロマン(anti-roman、英語ではanti-novel)とは、19世紀以来の伝統的な小説形式を批判・否定することを目的とした文学的実験の総称です。フランス語の「ロマン(roman)」は小説を意味し、その否定形としてこの語が用いられます。
歴史と背景として、この概念は20世紀前半から使われ始め、特に1950〜60年代のフランスで「ヌーヴォー・ロマン(nouveau roman)」と呼ばれる運動として花開きました。アラン・ロブ=グリエ、ナタリー・サロートなどの作家が代表的存在です。
主な特徴は以下のとおりです。
- 明確なストーリー展開や起承転結を持たない
- 登場人物の心理や動機を詳細に描かない
- 時系列の破壊・反復・視点の多元化
- 物語よりも「語ること」そのものへの意識
- 読者に積極的な解釈参加を求める
アンチロマンは、リアリズム小説が「現実を再現できる」という前提を疑い、言語や物語の限界を作品内で問い続けるという点で、20世紀文学の重要な潮流となっています。現代の実験的小説や前衛文学にも影響を与え続けています。
使い方・例文
文学批評の文脈で「この作品はアンチロマン的手法を用い、主人公の心理を意図的に不透明にしている」のように使われます。
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