アル・マアッリーとは?
あるまあっりー
アル・マアッリーとは、10〜11世紀のアラブを代表する詩人・哲学者であり、鋭い懐疑主義と独自の思想で中世イスラム文学史に輝く人物です。
アブール・アラー・アル・マアッリー(973〜1057年)は、シリアのマアッラ・アルヌウマーン出身のアラブ詩人・哲学者です。幼少期に天然痘で視力をほぼ失いながらも、卓越した記憶力と知性で膨大な学識を積み上げ、中世アラブ文学の最高峰のひとりとして評価されています。
アル・マアッリーの思想の最大の特徴は、同時代のイスラム社会では異端とも言える深い懐疑主義です。宗教的教条を盲目的に信じることを批判し、理性による真理の探究を優先しました。また、動物の殺生を避ける菜食主義を実践し、結婚・子育てを拒絶するなど、禁欲的な生き方を貫いたことでも知られます。
代表的な著作は以下の通りです。
- 『義務の必要性(ルズームィーヤート)』—独自の韻律制約を自らに課した詩集。人生・死・宗教への深い省察を含む
- 『赦免の書(リサーラト・アル・グフラーン)』—来世を舞台に詩人たちと対話する散文作品で、ダンテの『神曲』との比較で研究される
アル・マアッリーは90年近い長寿を全うし、生涯を故郷マアッラで過ごしました。その詩の多くは人間の傲慢さ・権力の無常・死の普遍性を主題とし、時代を超えた深みを持っています。アラブ文学史において「先見の明ある孤高の思想家」として今も広く読まれています。
使い方・例文
アラブ文学史やイスラム哲学の授業で「中世の懐疑主義的詩人」「『赦免の書』でダンテとの比較研究がなされる文人」として紹介される場面で登場します。
この用語をシェア
最終更新: