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しをりとは?

しをり

しをりとは、俳句連句において句の意味や音調を引き立てるために用いる余情・情感のことで、芭蕉が重んじた美的概念です。

「しをり」(枝折り・撓り)は、俳諧連句美学において松尾芭蕉が提唱した重要な概念のひとつです。もともとは山道の目印として木の枝を折り曲げた「枝折り」に由来し、転じて句の中に込められた繊細な情感・余情・情趣を指す言葉として用いられるようになりました。

芭蕉の弟子である向井去来や服部土芳らが記した伝書(『去来抄』『三冊子』など)には、しをりを「ほそみ」「かるみ」などとともに芭蕉の俳諧精神を示すキーワードとして記録しています。しをりは単なる技巧ではなく、句が表面に言い切らない余白の中に、自然や季節への感受性・哀愁・静けさを漂わせる感覚を指します。

具体的には以下のような要素が関わります。

  • 季語や景物が持つ自然の情感を句に引き込む
  • 言い過ぎず、読み手の心に想像の余地を残す
  • 静寂・無常・物悲しさといった情趣を醸し出す

しをりは「わび」「さび」と並ぶ芭蕉美学の柱のひとつであり、俳句が単なる言葉遊びを超えて、深い精神性を持つ文芸として発展するうえで欠かせない概念です。現代俳句の批評や鑑賞においても、句の内なる余情を評価する際に用いられます。

使い方・例文

「この句には「しをり」がある、と師匠に言われた。秋の夕暮れを詠んだ五七五の中に、言葉では表しきれない寂しさと温もりが共存していたのだ。」

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