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過冷却水とは?0℃以下でも凍らない水のしくみと活用例を詳しく解説

公開 2026年8月22日

この記事は 「過冷却水とは?」 の解説をくわしく掘り下げたものです。

過冷却水とは

過冷却水(かれいきゃくすい)とは、水の凝固点である0℃を下回っているにもかかわらず、液体のままの状態を保っている水のことです。「過冷却」とは、本来であれば相変化、つまり液体から固体への変化が起こるはずの温度を超えて冷やされている状態を指す言葉です。過冷却は水に限らず、他の液体でも起こり得る現象ですが、身近な物質である水で観察されることが多いため、理科教育や気象学の分野でもよく取り上げられます。

なぜ0℃を下回っても凍らないのか

通常、水が氷になるためには「核形成」と呼ばれる過程が必要です。水の中に塵や気泡、容器の傷など、氷の結晶が成長するきっかけとなる「核」が存在すると、水は0℃で凍り始めます。しかし、非常に純粋な水を静かに冷やし、核となるものがほとんどない環境をつくると、水は0℃を下回っても凍らずに液体のままでいられます。理論上、純水であれば−40℃近くまで過冷却の状態を保てるとされています。過冷却水に衝撃を与えたり、異物を触れさせたりすると、その瞬間にきっかけとなる核が生まれ、全体が一気に凍りつく「瞬間凍結」という現象が起こります。このとき水分子は一斉に規則正しい結晶構造へと並び替わり、凍結にともなって放出される熱によって、周囲の温度が一時的に0℃近くまで上昇することもあります。この現象は理科の実験としても人気があり、透明な水が一瞬でシャーベット状に変化する様子を観察できます。

過冷却水の応用例

瞬間凍結の性質は、アイスクリームの製造や、細胞を傷めにくい食品の凍結保存技術などに応用されています。ゆっくり凍らせると氷の結晶が大きく成長して食品の細胞を壊してしまいますが、過冷却状態から一気に凍らせることで、細かい氷の結晶を均一に生じさせ、食感や品質を保ちやすくなると考えられています。

  • アイスクリームなど食品の製造
  • 細胞を傷めにくい冷凍保存技術
  • 雲の中での雪やひょうの形成
  • 航空機の着氷現象

自然界では、雲の中の水滴が過冷却状態になっていることが知られており、この過冷却水滴が何らかのきっかけで凍りつくことが、雪やひょうが生成される過程に深く関わっています。空気中に浮かぶ微小な塵などが核となって過冷却水滴が凍りつき、そこに周囲の水蒸気が付着して成長していくことで、雪の結晶やひょうの粒が形づくられていきます。人工降雨の研究においても、雲の中に凍結の核となる物質をまいて過冷却水滴を凍らせ、雨や雪を降らせる技術が試みられてきました。

身近な現象と安全上の注意

家庭でも、よく冷やしたペットボトルの水を静かに扱うことで過冷却の状態をつくり、振動を与えた瞬間に凍りつく様子を観察できる実験が知られており、動画共有サイトなどでも人気を集めています。一方、航空分野では、上空を飛ぶ飛行機が過冷却状態の雲に入ると、機体に触れた水滴が瞬時に凍りついて着氷という現象を引き起こすことがあり、翼の形状を変化させて揚力を低下させる恐れがあるため、航空機には着氷を防止・除去する装置が備えられています。

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