ヤングケアラーとは?子供が家族を介護する現状と課題を解説する
公開 2026年8月23日
ヤングケアラーとは
ヤングケアラーとは、本来は大人が担うと想定される家族の介護や看病、家事、幼いきょうだいの世話などを日常的に行っている18歳未満の子どもを指す言葉です。世話の対象となる家族には、病気や障害のある親、要介護状態にある高齢の祖父母、精神的な問題を抱える保護者などが含まれます。また、家庭の事情によって子ども自身が家計を支えるために働かざるを得ないケースが、広い意味でのヤングケアラーに含まれることもあります。
子どもの生活への影響
家族の世話を日常的に担う子どもは、学業や友人関係、進学や就職といった自分自身の成長の機会に影響を受けやすいことが指摘されています。世話にかかる時間や体力的な負担によって、学校を欠席しがちになったり、宿題や勉強の時間が十分にとれなかったりすることがあります。また、友人との遊びや部活動といった同世代との交流の時間が削られ、孤立感を深めてしまう子どももいます。こうした状況が長く続くことで、心身の健康や将来の進路選択にまで影響が及ぶ場合があります。
支援につながりにくい背景
ヤングケアラーの支援を難しくしている要因のひとつに、当事者自身が家庭の状況を「家族なのだから当然のこと」「特別なことではない」と捉えており、自分が支援を必要としている状態にあると気づいていないケースが多いことが挙げられます。また、家庭の事情を周囲に知られることへの恥ずかしさやためらいから、学校の先生や友人に相談しづらいと感じている子どもも少なくありません。こうした心理的なハードルが、支援の必要な子どもが早期に発見されにくい状況を生んでいます。こうした状況を防ぐためには、周囲の大人が子どもの小さな変化のサインに日頃から気づいていく視点を持つことも欠かせません。
相談できる場所
ヤングケアラーの子どもや、その存在に気づいた周囲の大人が利用できる相談窓口として、学校のスクールカウンセラーや、自治体が設置する子ども家庭支援の窓口、福祉の専門職員などが挙げられます。近年はオンラインやSNSを通じて気軽に相談できる窓口を設ける自治体も増えており、対面での相談に抵抗を感じる子どもでも利用しやすい環境づくりが進められています。ひとりで抱え込まずに、身近な相談先をあらかじめ知っておくことが、負担を軽くするための大切な第一歩になります。
社会的な取り組み
近年、日本でも国や自治体による実態調査が進み、ヤングケアラーの存在や置かれている状況が徐々に明らかになってきました。対策として、学校や地域の関係者が子どもの変化にいち早く気づくための仕組みづくり、専用の相談窓口の設置、家事支援サービスや介護の専門サービスを利用しやすくすることによる家庭全体の負担軽減などが進められています。子どもが自分の成長の機会を犠牲にすることなく育っていけるよう、家庭だけに任せず社会全体で支える体制づくりが求められています。