Nerdctlとは?containerdを操作するDocker互換のCLIツール
公開 2026年8月23日
Nerdctlとは
Nerdctlとは、コンテナランタイムであるcontainerdを直接操作するために開発されたコマンドラインツールです。コンテナ技術の代表格として広く知られるDocker社が提供するdockerコマンドと高い互換性を持つように設計されており、既存のDockerコマンドの知識や操作感をほぼそのまま活かして、コンテナの作成・起動・停止、イメージのビルドや取得といった一連の操作を行うことができます。
DockerとNerdctlの違い
Dockerは内部的にdockerdと呼ばれる独自のデーモン(常駐プログラム)を介してcontainerdを利用する構成になっています。これに対してnerdctlは、containerdへより直接的にアクセスしてコンテナを操作する構成になっている点が異なります。この構成の違いによって、containerdが標準で備えている機能を、Dockerを経由せずにより素直な形で利用できるようになっています。
Nerdctl独自の拡張機能
nerdctlは単なるDocker互換ツールにとどまらず、containerdが持つ機能を活かした独自の拡張機能を備えている点が特徴です。具体的には、イメージの暗号化や署名検証によるセキュリティ強化、コンテナレジストリとの通信を効率化するローカルレジストリの圧縮転送、必要な部分だけを先に取得して起動を高速化する遅延イメージ取得(レイジープリング)といった機能が利用できます。これらは通常のdockerコマンドでは扱えない、より高度な運用を可能にする機能です。
注目される背景
Kubernetesをはじめとする多くのコンテナ基盤の内部で、コンテナランタイムとしてcontainerdが広く採用されるようになったことが、nerdctlが開発された背景のひとつです。加えて、Docker Desktopのライセンス体系の変更をきっかけに、企業や開発者の間でDockerに代わるツールへの関心が高まったことも、nerdctlが注目を集めるようになった要因として挙げられます。nerdctlはオープンソースのcontainerdプロジェクトのサブプロジェクトとして開発が進められており、コミュニティによる継続的な改良が行われています。こうした流れから、企業のインフラ選定においてもnerdctlが候補にあがる場面が増えつつあります。
利用が広がる場面
nerdctlは、Kubernetesのノード上でコンテナの状態を直接確認したいときや、containerdを使った開発環境でDockerと同じ感覚のまま作業を続けたいときなど、さまざまな場面で活用されています。CI/CD環境でDockerデーモンを常駐させずにイメージのビルドやテストを行いたい場合にも、containerdベースのツールであるnerdctlが選択肢のひとつとして検討されることがあります。今後もコンテナ関連の周辺ツールの選択肢として、開発者コミュニティの注目を集め続けています。