Hox遺伝子とは?
ほっくすいでんし
Hox遺伝子とは、動物の体の前後軸に沿った器官・体節の配置を決定する転写因子をコードする遺伝子群です。
Hox遺伝子(ホックス遺伝子)は、動物の体軸に沿った各体節や器官が「どこに何を作るか」という位置情報を指定するマスター制御遺伝子群です。ホメオボックス(homeodomain)と呼ばれる特徴的なDNA結合領域を持ち、この配列が発見されたことからHomeobox genesの略でHox遺伝子と命名されました。
Hox遺伝子の最大の特徴は共線性です。染色体上での遺伝子の並び順が、体の前後軸での発現領域の順序と一致します。たとえばヒトでは4つの遺伝子クラスター(HoxA〜HoxD)が存在し、各クラスターに13種のパラログが並んでいます。
Hox遺伝子は動物界で広く保存されており、線虫・ショウジョウバエ・マウス・ヒトなど多様な動物が相同なHox遺伝子を持ちます。ショウジョウバエのAntennapedia遺伝子が突然変異すると触角の位置に脚が生える「ホメオーシス」変異が起き、その劇的な表現型が研究の契機となりました。
Hox遺伝子の研究は発生生物学・進化発生学(エボデボ)の中核を担い、異なる動物でも共通の遺伝子がボディプランを制御するという「深い相同性」の概念を確立しました。
使い方・例文
ショウジョウバエでHox遺伝子の一つAntennapediaが異所的に発現すると、頭部の触角が脚に変わるホメオーシス変異が生じます。このような実験がHox遺伝子の機能解明に大きく貢献しました。
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