集団免疫閾値とは?
しゅうだんめんえきいきち
集団免疫閾値とは、感染症の流行を自然に収束させるために集団の中で免疫を持つ必要がある人の割合の最低ラインです。
集団免疫閾値(しゅうだんめんえきいきち)は、英語でHerd Immunity Threshold(HIT)とも呼ばれます。集団のうちどれだけの割合が免疫を持てば、感染者が新たな感染者を生み出す速度が低下して流行が自然収束するかを示す値です。
計算式はHIT = 1 − 1/R₀で表されます。基本再生産数(R₀)が高い感染症ほど、より高い集団免疫閾値が必要になります。
- 季節性インフルエンザ(R₀≈1.5): 閾値 ≈ 33%
- 天然痘(R₀≈6): 閾値 ≈ 83%
- 麻疹(R₀≈15): 閾値 ≈ 93%以上
集団免疫は、ワクチン接種によって達成する場合(ワクチン集団免疫)と、感染を経て自然に免疫を持つ人が増える場合(自然感染による集団免疫)の2通りがあります。後者は重症者・死亡者が多数出るリスクがあり、公衆衛生上は推奨されません。
閾値はあくまで「集団全体として均一に免疫が分布している」という理論上の前提に基づいた値です。実際には地理的偏在・年齢偏在・ワクチン忌避などにより、閾値を超えたとしても局所的な流行が続く可能性があります。また変異株の出現でR₀が変化すると閾値も変わるため、動的に見直す必要があります。
使い方・例文
集団免疫閾値は「麻疹をワクチンで制御するには接種率を95%以上に維持しなければならない」といった政策目標の根拠として用いられ、接種率が閾値を下回ると局地的な流行が再燃します。
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