鉛白とは?
えんぱく
鉛白とは、塩基性炭酸鉛を主成分とする白色の顔料で、古代から油絵具や化粧品などに広く使われてきた歴史的に重要な白色素材です。
鉛白(えんぱく)は、塩基性炭酸鉛(2PbCO₃・Pb(OH)₂)を主成分とする白色顔料で、英語では「ホワイトレッド(White Lead)」とも呼ばれます。古代ギリシャ・ローマ時代からその製法が知られており、酢と鉛を反応させる「オランダ法」などの伝統的な製法が長く用いられてきました。
鉛白は以下のような特性をもちます。
- 高い隠蔽力:少量で下地を覆い隠す優れた白色を発揮する
- 油との相性の良さ:亜麻仁油などとよく混ざり、独特のマチエール(絵肌)を生む
- 乾燥促進:油絵具の乾燥を速める性質がある
- 経年変化:硫黄分と反応して黒変(硫化鉛生成)する弱点がある
ルネサンスから近代にかけての油絵画家たちにとって鉛白は欠かせない顔料であり、レンブラントやフェルメールなど多くの巨匠の作品に使われています。また日本では白粉(おしろい)の原料として長く化粧品にも用いられましたが、鉛の毒性による健康被害が問題となりました。
現在は毒性への懸念から一般的な使用は大幅に減少し、絵画では酸化チタン(チタニウムホワイト)や亜鉛白(ジンクホワイト)が主流です。ただし保存修復の分野や一部の伝統的な油絵技法を追求する画家が今も使用することがあります。
使い方・例文
美術館で所蔵する旧来の油彩画の修復作業では、原作者が使った鉛白の性質を理解した上で補彩の顔料や媒材を選ぶことが求められます。
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