量子ホール効果とは?
りょうしほーるこうか
「効果」の用語まとめを見る量子ホール効果とは、極低温・強磁場下の二次元電子系でホール抵抗が普遍的な定数の整数分の一に量子化される現象のことです。
量子ホール効果(Quantum Hall Effect, QHE)とは、二次元的に閉じ込められた電子系(GaAs/AlGaAs界面など)を極低温(数K以下)かつ強磁場(数テスラ以上)下に置いたとき、ホール抵抗RHが h/(e²n)(hはプランク定数、eは電気素量、nは正の整数)という普遍的な定数の値にきわめて精密に量子化される現象です。
1980年にクラウス・フォン・クリッツィングによって発見され(整数量子ホール効果)、1985年のノーベル物理学賞の対象となりました。さらに1982年にはダニエル・ツウィー、ホルスト・シュテルマーらにより分数量子ホール効果が発見され、1998年のノーベル物理学賞を受賞しています。
整数量子ホール効果では、強磁場によって電子のエネルギー準位が「ランダウ準位」に量子化され、フェルミ準位が準位間のギャップに位置するとき、試料の端部(エッジ)を流れる一方向性の電流チャネル(カイラルエッジ状態)が生じます。このエッジ電流は散乱を受けないため縦抵抗がゼロになり、ホール抵抗が精密に量子化されます。
量子ホール効果の主な意義は以下の点にあります。
- 精密測定の標準:ホール抵抗の量子化値はフォン・クリッツィング定数RK = h/e² ≈ 25812.807Ωとして抵抗の国際標準に採用されています。
- 基礎物理:トポロジカル物性(位相不変量)の理解を深め、トポロジカル絶縁体研究の礎を築きました。
- 量子コンピューティング:分数量子ホール効果中の非アーベル統計をもつ準粒子が、誤り耐性量子計算への応用として研究されています。
使い方・例文
国際度量衡委員会は量子ホール効果を利用した電気抵抗の標準(フォン・クリッツィング定数)を定めており、世界各地の計量機関が高精度な抵抗標準として活用しています。
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