適応的期待とは?
てきおうてききたい
適応的期待とは、過去の実績データをもとに人々が将来の経済変数を予測する考え方です。
適応的期待(Adaptive Expectations)とは、人々が将来のインフレ率や物価水準などを予測する際に、過去の実績値を参考にしながら予測を少しずつ修正していくという行動仮説です。経済学では、期待形成の最も基本的なモデルの一つとして長く活用されてきました。
仕組みとしては、前期の予測誤差の一定割合を今期の予測に反映させます。たとえばインフレ率の予測が実際より低かった場合、次の期の予測をその分だけ上方修正するといった具合です。この修正係数(適応係数)が大きいほど、最新の実績値に素早く反応します。
適応的期待の特徴とともに、批判も存在します。
- 過去のデータだけに基づくため、政策変更などの新情報をすぐに反映できない
- 体系的な予測誤差が繰り返される可能性がある
- フィリップス曲線やインフレ分析の文脈で広く用いられた
1970年代以降は、利用可能な全情報を合理的に活用するとする「合理的期待」仮説がより主流となりましたが、適応的期待は直感的にわかりやすく、行動経済学的な視点からも再評価されています。マクロ経済モデルの入門的概念として、現在も教育・研究の場で重要な位置を占めています。
使い方・例文
「昨年のインフレ率が高かったから今年も高いだろう」と家計が予測して賃金交渉に臨む場面が、適応的期待の典型的な例です。
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