適応度とは?
てきおうど
生物が環境に対してどれだけうまく生き残り子孫を残せるかを表す進化生物学の中心的な概念です。
適応度(fitness)は、ある個体や遺伝子型が特定の環境のもとで次世代に残す子孫の相対的な数や割合を指します。進化生物学・集団遺伝学における最も基本的な概念のひとつで、自然選択の方向性を理解する鍵となります。
適応度は単なる「強さ」や「健康さ」ではなく、繁殖成功度(reproductive success)として定量化されます。生存率・繁殖率・配偶者獲得能力などが複合的に反映されます。絶対適応度(実際の子孫数)と相対適応度(集団内で最高値を1とした比率)の2種類がよく用いられます。
たとえば、ある色型のカタツムリが捕食者に見つかりにくく生存率が高ければ、その遺伝子型の相対適応度は高くなります。逆に、見つかりやすい色型は適応度が低く、世代を経るうちに集団中の割合が減少します。
また、包括適応度( inclusive fitness)という概念では、自分の繁殖に加えて血縁個体の繁殖を助けることで伝わる遺伝子コピーも考慮します。これは利他行動の進化を説明する枠組みとして重要です。
適応度の概念は医学(病原体の毒性進化)・農業(品種改良)・保全生態学(絶滅リスク評価)などにも応用されています。
使い方・例文
抗生物質耐性菌は薬剤存在下で高い適応度を持ち、治療中の患者体内で急速に増殖・優占化する現象として観察されます。
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