軸索小丘とは?
じくさくしょうきゅう
軸索小丘とは、神経細胞の細胞体から軸索が起始する部分で、活動電位の発生(電気信号の発火)が始まる特別な領域のことです。
軸索小丘(axon hillock)とは、ニューロン(神経細胞)の細胞体(soma)から軸索(axon)が分岐し始める円錐形の移行部位を指します。解剖学的にはわずか数十マイクロメートル程度の領域ですが、機能的には神経信号の「発火ゲート」として非常に重要な役割を担います。
ニューロンは樹状突起や細胞体を通じて他の多数のニューロンから電気的・化学的な入力を受け取ります。興奮性のシナプス入力(脱分極)と抑制性の入力(過分極)は細胞体で空間的・時間的に統合され、その合算された電位変化が軸索小丘に集まります。軸索小丘には電位依存性ナトリウムチャネルが高密度に集中しており、膜電位がある閾値(約−55mV付近)を超えると活動電位が発生し、軸索末端に向けて伝導していきます。
この「閾値判定」機能により、軸索小丘は情報処理における意思決定点として機能します。閾値に届かない弱い入力は無視され、閾値を超えた入力のみが信号として次のニューロンに伝えられる「全か無かの法則」が実現されます。
軸索小丘の特性は記憶・学習・感覚処理など神経回路全体の計算能力に直結しており、神経科学や計算論的神経科学の重要な研究対象となっています。
使い方・例文
「感覚刺激が強いほど軸索小丘での発火頻度が高まり、より強い信号が脳に伝わる」というように、神経生理学の説明で使われます。
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