超放射とは?
ちょうほうしゃ
多数の原子や分子が協調して一斉に光を放射する現象で、通常の自然放射より格段に強い光が短時間に放出されます。
超放射(英: superradiance)とは、多数の原子・分子・スピンなどの量子系が互いに位相を揃えて集団的に協調し、個々の自然放射の単純な和をはるかに超える強度の光(電磁波)を極めて短時間に放出する量子光学現象です。1954年にR・H・ディッケが理論的に予言したことから「ディッケ超放射」とも呼ばれます。
通常、原子が励起状態から基底状態へ戻るとき(自然放射)は各原子が独立にランダムな位相で光を放出するため、強度はN個の原子があればN倍になります。一方、超放射では原子間に量子相関が生じ位相が揃うため、強度はN²に比例し、さらに放射時間はN分の1に圧縮されます。これは個々の原子が協調して「アンテナ」として機能するイメージです。
超放射は量子コンピューティング、超高輝度レーザー、量子情報通信などの分野で基礎研究が進んでいます。また天体物理学では、中性子星やブラックホール周辺での電磁波増幅現象を「超放射」と呼ぶ場合もあり、エネルギー抽出の機構として研究されています。
実験室レベルでは冷却原子系や固体中の量子ドットなどで超放射の観測が報告されており、量子光学の重要なテーマの一つです。
使い方・例文
冷却原子を用いた実験で超放射が観測され、多数の原子が一斉に強烈なパルス光を放射する現象が確認された。量子コンピュータの光インターフェース研究でも超放射の制御が注目されている。
この用語をシェア
最終更新: