補修紙とは?
ほしゅうし
補修紙とは、書画・古文書・絵画などの紙製文化財を修復する際に、破損部分を補うために使う薄くて丈夫な和紙のことです。
補修紙は、文化財保存修復の分野で欠かせない素材のひとつです。虫食い・破れ・欠損・折れなどのダメージを受けた和紙製品や絵画の紙の部分を補填・補強するために使われ、保存修復士(修復師)が作業の要件に合わせて慎重に選定します。
- 薄さ・透明感:本紙の色調や文字・絵柄を透かさず、補修跡が目立たない
- 繊維の質:楮(こうぞ)・三椏(みつまた)・雁皮などの長繊維素材が多く使われ、耐久性が高い
- 酸性度の低さ:中性または弱アルカリ性で、本紙を傷める酸が少ない
- 収縮率の一致:湿気による本紙の伸縮と同様の挙動を示すことが望ましい
補修紙は既製品として各種厚さ・色・繊維方向のものが市販されているほか、染色・叩き漉きなどで本紙に合わせた色調・厚みを特注で仕立てることもあります。貼り付けには主に小麦でんぷん糊(澱粉糊)が使われ、将来的に取り外しが可能な可逆性のある処置が文化財修復の原則です。
博物館・美術館・図書館などにおける資料の長期保存において、補修紙は原本を後世に伝えるための重要な役割を担っています。
使い方・例文
江戸時代の古文書に虫食い穴が見つかったとき、修復師が原本の和紙に近い薄い補修紙を穴の裏から当てて糊で固定し、欠損部分を復元する作業で使われます。
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