脊髄後角とは?
せきずいこうかく
脊髄後角とは、脊髄の灰白質のうち後方(背側)に位置する部分で、皮膚や筋肉からの痛みや温度・触覚などの感覚情報が最初に処理される重要な中継地点です。
脊髄後角(せきずいこうかく、英: Dorsal horn)とは、脊髄の断面で見ると蝶形をした灰白質の「後ろ側の突起(角)」にあたる部分です。末梢神経から入ってくる感覚情報を受け取り、脳へ伝える中継点として機能します。
脊髄後角は痛覚・温度覚・触覚・圧覚などの感覚入力を受け取ります。皮膚の痛み受容体(侵害受容器)が刺激を感知すると、その信号はA線維やC線維と呼ばれる末梢神経を通じて脊髄後角に届き、ここで次のニューロンに伝達されて脳へと上行します。
脊髄後角に関連する重要な概念には以下があります。
- ゲートコントロール理論:触覚の刺激が痛覚の伝達を抑制できるという理論で、脊髄後角が「ゲート」として機能するとされる
- 中枢性感作:繰り返す痛み刺激により脊髄後角のニューロンが過敏化し、慢性疼痛を生じさせるメカニズム
- 鎮痛薬の作用点:モルヒネなどオピオイド系鎮痛薬は脊髄後角のオピオイド受容体に作用して痛みを抑える
慢性疼痛・線維筋痛症・帯状疱疹後神経痛などの病態と脊髄後角の過敏化が深く関わることが明らかになっており、これらの疾患の治療標的としても注目されています。痛みの医学・神経科学において欠かせない解剖学的構造です。
使い方・例文
「慢性的な腰痛では脊髄後角での中枢性感作が起き、わずかな刺激でも強い痛みを感じるようになることがある」という疼痛医学の説明で登場します。
この用語をシェア
最終更新: