羅とは?
ら
羅とは、縦糸をからませながら織る日本の伝統的な薄手の絹織物で、透け感のある独特の網目構造が夏の高級着物素材として珍重されます。
羅(ら)は、縦糸(経糸)をねじり合わせながら横糸(緯糸)と交差させる「絡み織り」の技法によって作られる薄手の絹織物です。その織り構造が網の目のように見えることから、古くは「羅網(らもう)」と呼ばれ、中国伝来の高級絹織物として奈良時代に日本に伝わりました。
羅の最大の特徴は透け感と通気性です。経糸を2本以上ねじって緯糸を固定するため、織り目の間に均一な空隙が生まれ、光を通す薄く軽やかな生地になります。夏の着物や帯の素材として重用され、特に正倉院に収蔵された奈良時代の遺品には羅の衣装が多く残っており、その精緻さは現代の職人が驚嘆するほどです。
羅と似た絡み織りには「紗(しゃ)」があり、紗は2本の経糸が1回ねじれる単純な構造であるのに対し、羅はねじれの回数が多く構造が複雑なため、より手間がかかり格式が高いとされます。代表的な種類として次のものがあります。
- 経錦羅(たてにしきら):錦の技法を組み合わせた格調高い羅
- 二陪織物(ふたえおりもの):奈良時代の宮廷装束に用いられた重ね織りの羅
現代では西陣(京都)の一部の機屋が羅の技術を継承しており、その希少性から夏の帯地や能装束として高い評価を受けています。無形文化財の技術として保護が進められています。
使い方・例文
夏の茶会で着用する薄物の着物に用いられる素材として、またホテルのロビーに飾られる工芸品として、羅の繊細な透け感が話題になる場面に登場します。
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