経験論とは?
けいけんろん
経験論とは、人間の知識はすべて感覚的な経験から得られるという哲学上の立場です。
経験論(けいけんろん)とは、知識の源泉を感覚的経験に求める哲学的立場であり、英語では「エンピリシズム(Empiricism)」と呼ばれます。生まれながらにして知識が備わっているとする「生得観念説」や、理性だけで真理に到達できるとする「合理論」と対立する考え方です。
経験論の基本的な主張は、人間の心は生まれた時点では白紙の状態(タブラ・ラサ)であり、外界からの感覚的な刺激と経験の積み重ねによってのみ知識が形成されるというものです。17世紀のイギリス哲学者ジョン・ロックがこの立場を代表する論者として知られ、「人間知性論」においてその考えを体系化しました。その後、ジョージ・バークリーやデイヴィッド・ヒュームへと引き継がれ、イギリス経験論の系譜が形成されました。
経験論が重視する点を整理すると、以下のようになります。
- すべての観念は感覚的な知覚(見る・聞く・触れるなど)に由来する
- 観察や実験を通じた帰納的推論が知識構築の基本となる
- 先験的・絶対的な知識を認めず、知識は修正可能とみなす
経験論は近代科学の発展と深く結びついており、観察・実験を重視する科学的手法の哲学的根拠となりました。また、現代の認知科学や教育学にも影響を与えており、「学習は経験によって形成される」という考え方の礎にもなっています。
使い方・例文
「経験論的な立場からは、火が熱いという知識は実際に触れた経験から得られるものであり、生まれながらに備わった知識ではないと考える」という形で使われます。
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