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第一次囲い込みとは?

だいいちじかこいこみ

第一次囲い込みとは、15〜16世紀イギリスで領主が農民の共同耕作地(開放耕地)を柵で囲い込み、羊の放牧地に転換した土地変革運動のことです。

第一次囲い込み(ファースト・エンクロージャー)とは、15世紀後半から16世紀にかけてイングランドで起きた農地の私有化運動です。当時ヨーロッパでは毛織物産業が発展し、羊毛の需要が急増したことで、領主たちは農業用の共同耕作地(開放耕地)や共同放牧地を柵や生け垣で囲い込み、羊の放牧地(牧羊場)へ転換しようとしました。

この動きの背景には、羊毛の輸出によって得られる利益が穀物耕作よりも大きかったという経済的動機があります。特にネーデルラント(現在のオランダ・ベルギー周辺)向けの羊毛貿易が盛んになったことで、地主・貴族層は積極的に囲い込みを推進しました。

囲い込みの影響は農民社会に大きな打撃を与えました。

  • 農民が共同耕作地を失い、耕作の場を奪われた
  • 多くの農民が農村を離れ、都市へ流入した
  • 農村の人口が減少し、農業共同体が解体された
  • 失業した農民が浮浪者化し、社会問題となった

この社会的混乱に対してトマス・モアは著書『ユートピア』(1516年)の中で囲い込みを厳しく批判し、「羊が人を食う」という有名な表現を残しています。後に18世紀以降に起きた「第二次囲い込み」が議会立法によって推進されたものであるのに対し、第一次囲い込みは自然発生的・私的な形で進んだ点が特徴です。

使い方・例文

第一次囲い込みは、世界史の授業でイギリス近代化の前史として取り上げられ、農民の土地喪失と都市への人口移動を説明する際に必ず登場する歴史用語です。

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