エンクロージャーとは?
えんくろーじゃー
エンクロージャーとは、イギリスで行われた農地の囲い込み運動で、農民を土地から追い出し資本主義農業や産業革命の労働力を生み出した歴史的変革です。
エンクロージャー(Enclosure、囲い込み)とは、イギリスにおいて領主や地主が農民の入会地(共同利用の農地・牧草地)や農地を柵や生け垣で囲い込み、私有地化した運動・政策を指します。主に2つの時期に分けられます。
第一次エンクロージャーは15〜17世紀に起きました。地主が毛織物工業向けの羊毛生産を目的として農地を牧羊地に転換するために行われ、農村から多くの農民が追い出されました。トーマス・モアは著書『ユートピア』(1516年)の中でこれを「羊が人間を食べている」と批判したことで有名です。
第二次エンクロージャーは18世紀後半〜19世紀初頭の産業革命期に起きました。議会の立法(議会エンクロージャー)によって大規模かつ組織的に進められ、農業の近代化・大規模経営化が促進されました。
エンクロージャーの歴史的影響は大きく、以下の点が重要です。
- 土地を失った農民が都市へ流入し、工場労働者の供給源となった
- 農業の資本主義化・近代化が進んだ
- 農村共同体の解体と社会的不平等の拡大をもたらした
- 産業革命の人的基盤を形成した
使い方・例文
「エンクロージャーによって農村を追われた農民は都市の工場に流入し、産業革命を支える安価な労働力となった」という形で、イギリス近代史や資本主義の成立を論じる際に使われます。
この用語をシェア
最終更新: