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矢の根とは?

やのね

矢の根とは、歌舞伎の演目のひとつで、曾我五郎が大きな矢の根を研ぐ姿を豪快に描いた「荒事」の代表作です。

「矢の根」は歌舞伎十八番のひとつで、正式には「矢の根五郎」とも呼ばれる荒事(あらごと)の演目です。江戸時代に初代市川團十郎が創始した荒事芸の精髄を示す作品として、歌舞伎の世界で特別な地位を占めています。

物語主人公は曾我五郎時致(ごろうときむね)。父の仇・工藤祐経への復讐を胸に秘めながら、夢のなかで兄・十郎が敵に捕らえられたと知り、巨大な矢の根を研ぎながら奮い立つ場面を中心に展開します。実際の舞台では、役者が極めて大きな矢じりを豪快に研ぐ見得(みえ)が最大の見せ場であり、その雄壮な姿が観客を魅了します。

荒事とは、超人的な力を持つ英雄や神仏の使いなどを誇張した演技・衣装・化粧(隈取り)で表現する様式で、「矢の根」はその典型とされます。衣装や鬘(かつら)も豪華絢爛で、筋肉を誇張した「むきみ隈(くま)」の化粧が特徴的です。曾我兄弟の仇討ちを題材にした曾我物のなかでも、この演目は正月興行の定番として江戸時代から上演され続けてきました。

現在も各流派の名優によって受け継がれ、初春の公演で披露されることが多い演目です。歌舞伎十八番という格式ある演目群のなかで、「矢の根」は荒事の美学と曾我物の伝統を今に伝える重要な存在です。

使い方・例文

「矢の根」は正月公演の演目として歌舞伎座などで上演されることが多く、市川家の当主が五郎を演じる機会に注目が集まります。

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