浸炭焼き入れとは?
しんたんやきいれ
浸炭焼き入れとは、低炭素鋼の表面に炭素を浸透させた後に焼き入れを行い、表面を硬く内部を粘り強くする熱処理技術です。
浸炭焼き入れ(しんたんやきいれ、carburizing and quenching)は、炭素含有量の少ない低炭素鋼や低合金鋼を高温のカーボン雰囲気にさらして表面に炭素を浸透・拡散させる「浸炭」工程と、その後に急冷して硬化させる「焼き入れ」工程を組み合わせた熱処理技術です。「浸炭焼入れ」「肌焼き」とも呼ばれます。
処理の流れは次のとおりです。まず部品を浸炭ガス(COや炭化水素)を含む雰囲気炉に入れ、およそ900〜950℃で数時間加熱します。この間に炭素が鋼の表面から数十ミクロン〜数ミリメートルの深さまで拡散して表面層の炭素量が増加します(表面炭素量は0.8〜1.0%程度まで上昇)。その後、急冷(焼き入れ)を行うと、炭素量が高い表面は硬いマルテンサイト組織となり、炭素量が低いままの内部は靭性(粘り強さ)を保ちます。
浸炭焼き入れによって得られる主な効果は以下のとおりです。
- 表面の高硬度化による耐摩耗性・耐疲労性の向上
- 芯部の靭性維持による耐衝撃性の確保
- 接触疲労強度(歯面強度)の向上
歯車・シャフト・カム・ベアリング軌道面など、耐摩耗性と靭性を同時に要求される機械部品の製造において標準的な熱処理として採用されており、自動車のトランスミッション歯車などに広く使われています。
使い方・例文
自動車のトランスミッションやデファレンシャルギヤには浸炭焼き入れ処理が施された歯車が使われており、高い面圧と衝撃に長期間耐えられる特性が実現されています。
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