正義論とは?
せいぎろん
正義論とは、社会における公正・権利・分配のあり方を哲学的に探究する学問分野で、ジョン・ロールズの『正義論』が現代における代表的な著作です。
正義論(Theory of Justice)とは、「何が公正か」「権利と義務はどうあるべきか」「利益や負担はどのように分配されるべきか」といった問いを体系的に考察する哲学の一分野です。倫理学・政治哲学・法哲学が交差する領域に位置しています。
正義の概念は古代から議論されており、アリストテレスは正義を「等しいものを等しく扱う」という比例的平等として論じました。近代以降は社会契約論(ホッブズ・ロック・ルソー)との関連で権利や法の正当性が問われるようになりました。
現代の正義論で最も影響力のある著作は、アメリカの哲学者ジョン・ロールズが1971年に発表した『正義論(A Theory of Justice)』です。彼は「無知のヴェール」という思考実験(自分の社会的地位・才能・性別などを知らない状態で制度設計する)を用いて、以下の二原理を導き出しました。
- 平等な自由の原理:すべての人が平等な基本的自由を持つ
- 格差原理:不平等は最も不遇な人々の利益になる場合にのみ許容される
ロールズの理論に対しては、ノージックの自由至上主義的批判やサンデルのコミュニタリアン批判、センのケイパビリティ・アプローチによる修正提案など、多様な応答が展開され、現代政治哲学を活性化させています。
使い方・例文
「貧困対策の設計に際して正義論の観点から格差原理を適用し、最も不遇な立場の人々に資源が届く制度を考えることが重要です。」のように使われます。
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