根来塗とは?
ねごろぬり
根来塗とは、黒漆の上に朱漆を塗り重ねた和歌山県発祥の漆器技法で、使い込むほどに朱と黒が混じった味わいが生まれます。
根来塗(ねごろぬり)は、和歌山県の根来寺(ねごろじ)を発祥とする伝統的な漆器の塗り技法です。その特徴は、木地の上に黒漆を下塗りし、その上から朱漆を塗り重ねる二層構造にあります。完成時は鮮やかな朱色を呈しますが、長年の使用によって表面の朱漆が剥がれ、下層の黒漆が透けて見えるようになります。この朱と黒が入り混じった独特の表情が「根来塗」の最大の魅力とされています。
根来塗の起源は平安時代末期から鎌倉時代ごろまでさかのぼるとされており、根来寺の僧侶たちが日常的に使う什器(食器・仏具など)として発達させたと伝わります。特に室町時代から戦国時代にかけて盛んに作られ、根来寺の勢力とともに広まりましたが、豊臣秀吉の根来攻め(1585年)後に一時衰退しました。
その後、各地の漆工職人によって技法が受け継がれ、現在では和歌山県をはじめ各地で根来塗の器が作られています。主な製品には椀、盆、箸、重箱などがあります。
根来塗の意義は「使い込むことで育つ漆器」という思想にあります。新品よりも使い古したものの方が味わい深いという日本独自の美意識「用の美」を体現した漆芸技法として、工芸愛好家から高い評価を受けています。
使い方・例文
「根来塗の椀は、使い続けることで表面に朱と黒が混じった独特の風合いが生まれ、世界に一つだけの器に育つ」のように、経年変化を楽しむ漆器として語られます。
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