松風とは?
まつかぜ
松風とは、松の木の間を吹き抜ける風、またはその音のことで、日本の芸能・文学・茶道において風雅の象徴として用いられる言葉です。
松風(まつかぜ)とは、本来は松の木立を通り抜ける風、あるいはその際に生じる「ざわざわ」とした音を指す言葉です。日本語の美的感覚の中で、松は常緑で不変の象徴とされ、その間を渡る風の音は「わび・さび」の境地を感じさせるものとして珍重されてきました。
芸能の分野では、能楽の有名な演目のひとつに『松風』があります。世阿弥が作ったとされるこの能曲は、須磨の松風・村雨という海女の姉妹が、流された在原業平(行平)への恋慕を抱えたまま亡くなり、幽霊となって旅の僧の前に現れるという物語です。幽玄の美を体現した名曲として高く評価されています。
茶道においては、湯が沸騰する際の音を「松風」と表現します。釜の中で湯が沸き始めるときに発する「しゅーっ」という音が、松林を風が渡る音に似ているとされるためです。茶の湯の世界では、この松風の音を静かに聞くことが茶室の風情のひとつとされています。
和歌・俳句・絵画などにも松風の表現は数多く登場し、日本の美意識を凝縮した語といえます。
使い方・例文
茶道の稽古で「松風が立ちました」と言われた場合、それは湯が沸き始めた合図を指しており、美的な表現として茶の湯の場で使われます。
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