放射性トレーサーとは?
ほうしゃせいとれーさー
放射性トレーサーとは、放射性同位体を目印として生体や物質の動きを追跡するために使われる放射性化合物または元素のことです。
放射性トレーサー(ラジオアイソトープトレーサー)は、放射性同位体(ラジオアイソトープ)を含む化合物を微量投与または混入し、その放射線を検出することで物質の移動・代謝・分布を追跡する手法です。「トレーサー」は「追跡するもの」を意味し、放射線を発することで位置や量を非破壊的・非侵襲的に測定できます。
医学分野での代表的な応用がPET検査(陽電子放射断層撮影)です。フルオロデオキシグルコース(FDG)という18F標識ブドウ糖を投与すると、がん細胞など代謝が活発な組織に集積するため、体内の腫瘍や炎症部位を画像化できます。核医学検査全般にわたって放射性トレーサーは診断に欠かせないツールとなっています。
主な活用分野は以下の通りです。
- 核医学診断:PET・SPECT検査による腫瘍・心臓・脳の画像診断
- 基礎生物学研究:細胞内の代謝経路の解明
- 環境科学:土壌・地下水の流動経路のトレース
- 工業:配管内の漏れ箇所の特定・材料の摩耗解析
使用する放射性同位体は目的に応じて選択され、半減期・放射線の種類・化学的性質が考慮されます。医療では患者への被曝を最小限にするため、短半減期の核種(テクネチウム-99mなど)が多く用いられています。
使い方・例文
病院でのがん検診に使われるPET-CT検査や、甲状腺疾患の診断に用いるヨウ素131検査など、核医学検査の場面で放射性トレーサーが活躍しています。
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