本文へスキップ

張り扇とは?

はりおうぎ

講談師が講談を語る際に、目の前の釈台を叩いてリズムや場面の緊迫感を演出するために用いる、紙を厚く巻いた棒状の扇のことです。

張り扇(はりおうぎ)は、講談などの話芸で用いられる道具で、扇の骨組みに紙を厚く巻きつけて棒状に固めたものです。開閉できる普通の扇子とは異なり、開かずに使うことを前提に作られています。講談師は座卓代わりに置かれた釈台(しゃくたい)の上でこの張り扇を叩き、パンパンと乾いた音を鳴らすことで、物語の緊迫した場面を盛り上げたり、話の区切りやリズムを聴衆に伝えたりします。合戦の場面では激しく連打して臨場感を高め、静かな場面では軽く打って余韻を残すなど、叩き方の強弱によって物語の情景を巧みに表現する役割も担っています。

太鼓のような打楽器としての役割に加え、身振りの延長として何かを指し示す仕草にも使われます。落語家が扇子や手ぬぐいを小道具として使うのと似た位置づけですが、張り扇はおもに音を出すことに特化している点が特徴です。講談師によって紙の巻き方や硬さへのこだわりがあり、使い込むほど手になじむ自分だけの道具に育っていくともいわれます。講談という語り芸の臨場感を支える欠かせない小道具として、現在も寄席や高座で使われ続けています。

使い方・例文

講談師は物語の山場に差しかかると、張り扇を釈台に打ちつけてリズムよく語りを盛り上げた。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語