弁証法的行動療法とは?
べんしょうほうてきこうどうりょうほう
弁証法的行動療法とは、認知行動療法にマインドフルネスを統合した心理療法で、感情調整の困難を抱える人を対象に開発されました。
弁証法的行動療法(Dialectical Behavior Therapy、DBT)は、マーシャ・リネハンが1980年代に開発した心理療法です。当初は境界性パーソナリティ障害(BPD)の治療を目的としていましたが、現在では自傷・自殺念慮・摂食障害・PTSD・うつ病など感情調整の困難を抱える様々な状態に適用されています。
「弁証法的」という名称は、受け入れ(acceptance)と変化(change)という一見矛盾する二つの立場を統合するアプローチに由来します。「あなたの苦しみは本物であり、同時に変わることも可能だ」という姿勢でクライエントに向き合います。認知行動療法の技法にマインドフルネスの概念を組み合わせた点が特徴です。
DBTは主に4つのスキルモジュールで構成されます。
- マインドフルネス:今この瞬間への気づきと観察
- 苦痛耐性:危機的状況をやり過ごすための技術
- 感情調整:感情を理解し強烈な感情を和らげる方法
- 対人効果:関係を維持しながら自分のニーズを伝えるスキル
標準的な構成は個人療法・グループスキルトレーニング・電話コーチング・治療者チームコンサルテーションの4要素からなります。エビデンスに基づく治療法として国際的に高く評価されており、日本でも導入する機関が増えています。
使い方・例文
DBTのスキルトレーニンググループでは、激しい感情に飲み込まれそうになったとき「TIPP技術(体温・激しい運動・ペース調整・漸進的筋弛緩)」のような具体的な身体的対処法を練習します。境界性パーソナリティ障害の治療で自傷行為の頻度を有意に低下させた研究が多数報告されています。
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