本文へスキップ

帰無仮説とは?

きむかせつ

帰無仮説とは、統計仮説検定において「差や効果がない」と仮定する前提の仮説であり、データによって棄却されるかどうかを検証します。

帰無仮説(きむかせつ、英:null hypothesis、H₀)とは、統計仮説検定において出発点となる仮説のことです。一般に「母集団に差がない」「効果がない」「二つの変数に関係がない」というニュートラルな前提を表します。

仮説検定の基本的な流れは次のとおりです。まず帰無仮説H₀を設定し、それに対立する「差がある・効果がある」という対立仮説H₁を立てます。次に収集したデータからp値(p-value)を計算し、あらかじめ設定した有意水準(通常0.05)と比較します。p値が有意水準を下回った場合に帰無仮説を棄却し、対立仮説を支持する結論を導きます。

重要なのは、帰無仮説を棄却できないことが「帰無仮説が正しい」の証明ではないという点です。これは「証拠がないこと」は「ないことの証拠」ではない、という科学的推論の基本原則に対応します。

具体的な例として、新薬の効果を検証する臨床試験では「新薬と従来薬の効果に差はない」という帰無仮説を立て、試験データを分析します。帰無仮説が棄却された場合にのみ、新薬に統計的に有意な効果があると判断します。

帰無仮説の概念は心理学・医学・社会科学・経済学などあらゆる実証研究の基礎であり、エビデンスに基づく判断を支える重要な枠組みです。

使い方・例文

「この薬を飲んでも飲まなくても回復率に差はない」という文が帰無仮説の典型例で、臨床試験ではまずこの仮説を立てて検証します。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語