実存療法とは?
じつそんりょうほう
実存療法とは、人間の「存在」そのものの問いを扱い、自由・責任・死・意味といった実存的テーマを通じて心理的成長を促す心理療法のことです。
実存療法(existential therapy)は、20世紀の実存主義哲学——キルケゴール、ハイデガー、サルトル、ヤスパースらの思想——を土台にした心理療法の総称です。ロロ・メイやアーヴィン・ヤーロムらがその体系化に貢献しました。
従来の精神分析が過去の無意識に注目するのに対し、実存療法は今ここに生きる人間の在り方に焦点を当てます。ヤーロムは人間が直面する実存的問題として、死・自由・孤独・無意味という4つの「究極的関心」を提唱しました。
実存療法の主な特徴は以下のとおりです。
- 症状の除去よりも「どう生きるか」という問いへの向き合いを重視する
- クライアントが自らの選択と責任を引き受ける力を育む
- セラピストとクライアントの真正な対話・関係性を重視する
- 意味の探求や価値の明確化を通じた自己理解を促す
ロゴセラピー(ヴィクトール・フランクルが創始)も実存療法の流れに位置づけられ、苦しみの中にも意味を見出すことを核心に置きます。うつ・不安・喪失・人生の転機など、幅広い状況に適用されます。
使い方・例文
「なぜ生きているかわからない」という問いを抱えるクライアントが、セラピストとの対話を通じて自分の価値観や選択を見つめ直す過程が、実存療法の典型的な場面として挙げられます。
この用語をシェア
最終更新: