安息香酸とは?
あんそくこうさん
安息香酸とは、ベンゼン環にカルボキシル基が結合した最もシンプルな芳香族カルボン酸で、防腐剤・医薬品・有機合成の原料として広く使われる化合物です。
安息香酸(Benzoic acid)は、分子式C₇H₆O₂(C₆H₅COOH)で表される芳香族カルボン酸です。白色の固体で、弱い芳香をもちます。名称は樹脂「安息香(ベンゾイン)」から初めて単離されたことに由来し、歴史的に古くから知られた有機酸のひとつです。
化学的性質:安息香酸はカルボキシル基をもつため弱酸性(pKa≒4.2)を示します。水にはやや溶けにくいですが、エタノールやエーテルなどの有機溶媒には比較的よく溶けます。ナトリウム塩である安息香酸ナトリウムは水溶性が高く、食品添加物として実際に利用されています。
主な用途と関連化合物:
- 食品保存料:安息香酸ナトリウムとして清涼飲料水・漬物などに使用(日本では使用基準あり)
- 医薬品:抗真菌薬(ホワイトフィールド軟膏など)の成分
- 香料・化粧品:エステル誘導体(安息香酸ベンジルなど)として香料・防腐剤に利用
- 有機合成原料:染料・樹脂・医薬品中間体の製造に使用
生産と安全性:工業的にはトルエンの空気酸化によって大量生産されています。通常の使用量では毒性は低いとされていますが、ビタミンCと共存する食品中でベンゼンが微量生成する場合があることから、食品への添加は制限される傾向にあります。
使い方・例文
コーラや果実飲料などの清涼飲料水の成分表示に「安息香酸Na」と記載されていることがあり、これが安息香酸の食品保存料としての使用例です。有機化学の芳香族化合物の単元でも基本例として頻出します。
この用語をシェア
最終更新: