安宅とは?
あたか
安宅は能楽の演目のひとつで、義経一行が弁慶の機転によって関所を突破する場面を描いた、緊張感あふれる作品です。
安宅(あたか)は、能楽(観世流・宝生流などで上演される)の演目のひとつで、源義経と弁慶を主人公とした物語を題材にしています。歌舞伎の「勧進帳」の原拠としても知られており、日本の古典芸能において広く親しまれてきた作品です。
物語の舞台は加賀国(現在の石川県)の安宅の関。源頼朝に追われた義経一行が山伏(修験者)に変装して関所を通り抜けようとするなか、関守・富樫が一行を怪しんで詰問します。弁慶は機転をきかせて偽の勧進帳を読み上げ、さらに義経を打ち据えることで疑いを晴らし、富樫の情けとともに関を突破します。
能における「安宅」は静かな様式美と緊張感が同居する作品として評価が高く、弁慶役のシテが物語の中心を担います。義経の正体を薄々気づきながらも一行を見逃す富樫の人間的な深みも、作品の味わいを深めています。忠義・機知・武士の情けといった日本的価値観が凝縮された演目として、古典芸能の入門作としても位置づけられています。
使い方・例文
能楽鑑賞の入門として「安宅」を観た人が、弁慶と富樫の緊迫したやり取りに息をのんだ。
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