婉曲語法とは?
えんきょくごほう
婉曲語法とは、直接的な表現を避け、遠回しで柔らかい言い回しを用いることで不快感や衝撃を和らげる修辞技法のことです。
婉曲語法(えんきょくごほう)は、英語では「ユーフェミズム(euphemism)」とも呼ばれ、死・病気・身体機能・差別・貧困など、直接言及することが不快・タブー・無礼とされる事柄を、より穏やかで間接的な表現に置き換える言語的な工夫です。
婉曲語法が用いられる主な場面には次のようなものがあります。
- 死や病気:「亡くなる」「お手洗い」のように、死や排泄を直接指す語を柔らかく置き換える。
- 社会的タブー:差別的な意味合いを持つ語を中立的な語に言い換える(例:「知的障害」→「知的発達症」)。
- 職業・身分:清掃員を「環境整備員」、リストラを「早期退職優遇制度」と呼ぶなど、地位やネガティブな印象を和らげる。
- 政治・軍事:「誤爆」を「付随的被害」と表現するなど、責任を曖昧にする意図で用いられることもある。
婉曲語法は社会の価値観や文化的背景を反映しており、時代とともに語の評価が下がる「意味の悪化(ペジョレーション)」が繰り返されることもあります。言語学や社会言語学においては、婉曲語法はタブー語研究やポライトネス理論と深く結びついたテーマです。
丁寧さや思いやりを伝える有効な手段である一方、意図的な言葉の偽装として批判的に検討されることもあり、表現の倫理という観点からも重要な概念です。
使い方・例文
「解雇する」を「人員を整理する」と言い換えたり、「トイレ」を「お手洗い」と呼んだりすることが婉曲語法の典型的な例です。
この用語をシェア
最終更新: