失禁関連皮膚炎とは?
しっきんかんれんひふえん
失禁関連皮膚炎とは、尿や便が皮膚に繰り返し接触することで生じる皮膚の炎症で、高齢者・長期臥床患者に多く見られ、褥瘡と混同されやすい皮膚トラブルです。
失禁関連皮膚炎(Incontinence-Associated Dermatitis、IAD)とは、尿失禁・便失禁・あるいはその両方による湿潤環境と化学的刺激が原因で生じる皮膚炎です。英語の頭文字からIADとも呼ばれます。
病態として、尿中のアンモニアや便中の酵素・細菌が皮膚のバリア機能を破壊し、発赤・びらん(ただれ)・浸軟(皮膚がふやける状態)を引き起こします。好発部位は陰部周囲・鼠径部・臀部・大腿内側などです。
褥瘡(床ずれ)とは区別する必要があります。主な違いは以下のとおりです。
- IADは失禁が直接の原因であり、圧迫・ずれは主因ではない。
- 皮膚損傷が表面性・びまん性で、骨突出部に限定されない。
- 境界が不明瞭で、「地図状」に広がることが多い。
予防・管理の基本は「スキンケアの3原則」、すなわち洗浄(皮膚を優しく洗う)・保湿(バリア機能の維持)・保護(撥水クリームや皮膚保護材の塗布)です。ケアスタッフが適切な排泄ケアと皮膚観察を継続することが再発防止に直結します。
使い方・例文
おむつ交換のたびに臀部の発赤とびらんを確認したとき、IADかどうかを褥瘡と鑑別しながら、皮膚保護クリームの塗布とおむつの頻回交換を組み合わせたケアが検討されます。
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