天可汗とは?
てんかがん
天可汗とは、唐の太宗李世民が周辺の遊牧民族から贈られた称号で、「天が認めた君主の中の君主」を意味する国際的な尊称です。
天可汗(てんかがん / てんかかん)は、中国語の「天」とテュルク・モンゴル語系の「可汗(カガン)」を組み合わせた称号で、「天が認めた大ハーン」という意味を持ちます。628年頃、唐の第2代皇帝・太宗(李世民)が東突厥を征服・懐柔したのちに周辺の遊牧民族・部族長から贈られたとされています。
この称号の歴史的意義は非常に大きく、中国の天子(皇帝)が農耕民族だけでなく遊牧民族の君主としても認められたことを意味します。太宗はこの称号を積極的に活用し、突厥・鉄勒・吐谷渾などの諸民族に対して「天下の共主」として振る舞いました。
天可汗制度の特徴として以下が挙げられます。
- 唐の皇帝が「天子」(漢民族の君主)と「天可汗」(遊牧民族の君主)の二重の権威を持つ
- 各部族長に対して官爵を与え、間接統治を行う
- 驛路(郵便道路)を整備して広域的な連絡体制を構築する
この枠組みは唐の全盛期を通じて機能し、7〜8世紀の東アジアにおける国際秩序の形成に大きく寄与しました。玄宗の時代以降、安史の乱などで唐が弱体化するとともに天可汗としての実効的な権威も失われていきました。
使い方・例文
「太宗が天可汗と呼ばれたことは、唐が中華文明圏と遊牧世界の双方を統合する国際帝国であったことを示している」のように、東アジアの国際秩序や唐代史の解説で登場します。
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