双極子放射とは?
そうきょくしほうしゃ
双極子放射とは、電気双極子が振動や加速することによって周囲に電磁波を放出する現象のことです。
双極子放射とは、正負の電荷が一定の距離を隔てて対をなす電気双極子が時間的に変化するとき、その周囲に電磁波を放出する現象です。アンテナや分子の発光など、電磁波の放射を理解するうえで最も基本的なモデルとして物理学・電磁工学で広く用いられます。
電磁気学の観点では、電荷が加速度運動をすると電磁波が放射されます。双極子モデルでは、正電荷と負電荷が正弦波的に振動する場合を扱い、放射される電磁波の強度は双極子モーメントの2階時間微分の2乗に比例します。これをラーモアの公式の双極子版として表現することができます。
双極子放射の主な特徴と応用は次のとおりです。
- 放射パターンは双極子軸に対して角度依存性を持ち、軸方向には放射されず、垂直方向に最も強く放射される
- 半波長ダイポールアンテナはこの原理を利用した最も基本的な送受信アンテナです
- 原子・分子の発光(電子の遷移)も電気双極子遷移として扱われます
- 磁気双極子放射も類似の原理で、核磁気共鳴(NMR)や電子スピン共鳴(ESR)に関係します
双極子放射の理解は、通信工学・量子光学・分光学など広い分野の基礎をなしており、現代技術の根幹を支える概念です。
使い方・例文
AMラジオ放送の送信アンテナは双極子放射の原理で電波を放出しており、原子が光を発するときも電気双極子遷移による双極子放射が起きています。
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