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包摂の倫理とは?

ほうせつのりんり

包摂の倫理とは、障害・国籍・性別・文化的背景などにかかわらず、すべての人が社会・教育・医療などに平等に参加できるようにすることを道徳的義務とする考え方です。

包摂の倫理(ほうせつのりんり、ethics of inclusion)とは、あらゆる個人を、その特性や属性に関係なく社会的・制度的な参加から排除せず、平等に受け入れることを倫理的に要請する立場を指します。インクルージョン倫理とも呼ばれます。

この概念はとくに障害者権利運動や特別支援教育の文脈で発展しました。1994年のサラマンカ声明(ユネスコ)は、障害のある子どもを通常教育の場に包摂するインクルーシブ教育を国際的に推進する契機となりました。その後、インクルージョンの考え方は教育にとどまらず、職場・医療・まちづくりなど広範な領域へと展開しています。

包摂の倫理が問うのは次のような点です。

  • 制度や空間の設計において誰かが排除されていないか
  • 多様な身体・認知・文化的背景を「標準」からの逸脱とみなしていないか
  • 参加の機会だけでなく、実質的な参加を可能にする支援が提供されているか
  • 当事者の声が意思決定に反映されているか

包摂の倫理は、ジョン・ロールズの差異原理やアマルティア・センのケイパビリティ・アプローチとも親和性が高く、社会正義論の中でも重要な位置を占めます。一方、包摂と文化的多様性の保持をどう両立するかという緊張関係も議論されています。

使い方・例文

「肢体不自由の子どもが通常学級で学べるよう設備と支援体制を整える」「採用プロセスを見直して障害者や外国人が不当に不利にならないようにする」といった取り組みが包摂の倫理を実践するものとして挙げられます。

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