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分子軌道理論とは?

ぶんしきどうりろん

分子軌道理論とは、分子内の電子を個々の原子に帰属させずに分子全体に広がる軌道(分子軌道)として扱う量子化学の理論です。

分子軌道理論(英: Molecular Orbital Theory、MO理論)は、分子中の電子が特定の原子に束縛されるのではなく、分子全体に広がった軌道(分子軌道)に収容されると考える量子化学の理論的枠組みです。原子軌道を線形結合して分子軌道を構築する手法(LCAO法)が基本となっています。

二つの原子軌道が重なると、エネルギーが下がる結合性軌道と、エネルギーが上がる反結合性軌道がそれぞれ一つずつ生成します。電子が結合性軌道に入ると核間の電子密度が増して結合が安定化し、反結合性軌道に入ると不安定化します。

分子軌道理論は以下のような現象をうまく説明します。

  • 酸素分子(O₂)の常磁性: 最高占有軌道(HOMO)に不対電子が二つあることで磁石に引き付けられる性質を予言できる(価電子対反発モデルでは説明できない)
  • ベンゼンの芳香族性: π電子が環全体に非局在化した分子軌道として記述される
  • 分子のスペクトル: 電子遷移エネルギーが分子軌道のエネルギー差として計算できる

価電子対反発理論(VSEPR)や原子価結合理論(VB理論)と並ぶ化学結合の基本理論であり、現代の計算化学・量子化学シミュレーションの基礎を成しています。

使い方・例文

大学の物理化学・量子化学の授業で登場します。O₂がなぜ常磁性なのかを説明するとき、またはHOMO・LUMOという概念が出てくる有機化学の反応機構の議論でも使われます。

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