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分子動力学シミュレーションとは?

ぶんしどうりきがくしみゅれーしょん

分子動力学シミュレーションとは、原子・分子の運動をニュートン力学の方程式に基づいてコンピュータ上で時間発展させ、物質の構造や動的性質を解析する計算手法のことです。

分子動力学シミュレーション(ぶんしどうりきがくシミュレーション、MD法とも呼ぶ)は、系内の原子・分子の位置と速度に対してニュートンの運動方程式を繰り返し数値積分し、時間に沿った軌跡(トラジェクトリ)を追跡する計算科学手法です。原子間相互作用は力場(フォースフィールド)または量子力学計算で与えられます。

MD法の基本的な流れは次のとおりです。

  • 初期座標と速度を設定し、原子配置を定義する
  • 各原子にかかる力(ポテンシャルの勾配)を計算する
  • 力から加速度を求め、運動方程式を数値積分して座標・速度を更新する
  • 上記を数万〜数億ステップ繰り返して時間発展を追う

MDシミュレーションは以下の分野で活発に利用されています。

  • タンパク質の折り畳みと構造変化(創薬研究)
  • 材料の力学・熱特性(ひび割れ・熱伝導のシミュレーション)
  • 膜・界面の挙動(脂質二重膜の動態)
  • 化学反応機構の解明(ab initio MD)

近年はGPUを活用した大規模並列計算により、数百万原子規模・マイクロ秒時間スケールのシミュレーションが実現しつつあります。また機械学習ポテンシャルとの融合で精度と速度を両立させる研究が盛んです。実験では直接観察が困難な原子スケールの現象を可視化・定量化できる点が大きな強みです。

使い方・例文

創薬研究では、薬物候補分子とターゲットタンパク質を含む系のMDシミュレーションを実施し、結合の安定性や柔軟性を評価することで、より有効な化合物の選別に役立てています。

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