八味地黄丸とは?
はちみじおうがん
八味地黄丸とは、腎の機能低下に伴う下半身の冷え・むくみ・頻尿などを改善する漢方薬の一つです。
八味地黄丸(はちみじおうがん)は、中国の古典医書『金匱要略』に記された処方を起源とする漢方薬で、地黄・山薬・山茱萸・茯苓・沢瀉・牡丹皮の六味に、桂枝(または肉桂)と附子を加えた全8種の生薬から構成されます。
漢方医学では「腎」は生命エネルギー(腎精・腎陽)を司る臓腑とされ、加齢とともに腎の働きが衰えると、下半身の冷え・腰痛・頻尿・夜間尿・むくみ・疲労感などの症状が現れると考えられています。八味地黄丸はこの「腎陽虚」の状態を温め補う処方であり、桂枝と附子が体を温める「温陽」作用を、地黄などが腎を滋養する「滋陰補腎」作用を担います。
現代の日本では医療用漢方製剤としても承認されており、主に以下の症状・疾患に用いられます。
- 下半身や手足の冷え、腰痛
- 夜間頻尿・排尿困難(前立腺肥大に伴うものを含む)
- かすみ目・かゆみ
- 糖尿病に伴う口渇・倦怠感
附子を含むため過剰摂取には注意が必要で、医師・薬剤師への相談が推奨されます。六味丸(ろくみがん)から桂枝と附子を加えた処方が八味地黄丸であるため、両者の違いを理解することが漢方医学の体質判断において重要です。
使い方・例文
60代の男性が夜中に何度もトイレに起きる・足腰が冷える・疲れやすいといった症状で漢方外来を受診した際、腎陽虚と判断されて八味地黄丸が処方される、といった場面で登場します。
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