免疫寛容とは?
めんえきかんよう
免疫寛容とは、免疫系が自己の組織や無害な物質に対して攻撃反応を起こさない状態のことで、自己免疫疾患やアレルギーを防ぐ重要な仕組みです。
免疫寛容(Immunological Tolerance)とは、免疫系が特定の抗原に対して攻撃反応(免疫応答)を示さない状態のことです。通常、免疫系は細菌やウイルスなどの異物を認識して排除しようとしますが、自己の組織やタンパク質に対してはこの反応を抑制する仕組みが備わっています。この「自分を攻撃しない」仕組みが免疫寛容です。
免疫寛容には大きく二種類があります。
- 中枢性寛容:胸腺(T細胞の成熟の場)や骨髄(B細胞の成熟の場)で、自己抗原を強く認識するリンパ球を除去・不活化するプロセスです(クローン除去)。
- 末梢性寛容:中枢性の機構をくぐり抜けた自己反応性リンパ球を、末梢組織でアネルギー(機能的不応答)や制御性T細胞(Treg)によって抑制する仕組みです。
免疫寛容が破綻すると、免疫系が自己組織を攻撃する自己免疫疾患(関節リウマチ・全身性エリテマトーデス・多発性硬化症など)が発症します。一方、食物やアレルゲンに対する寛容(経口免疫寛容)の失敗がアレルギーの一因となります。
臨床的には、臓器移植での拒絶反応抑制・アレルギー免疫療法(アレルゲン免疫療法)・自己免疫疾患治療への応用が研究されており、制御性T細胞を活用した治療戦略が注目されています。
使い方・例文
花粉症の患者にアレルゲンを少量ずつ投与する免疫療法は、花粉に対する免疫寛容を誘導してアレルギー反応を弱めることを目的としています。
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