交子とは?
こうし
世界最古の紙幣とも呼ばれる中国の宋代に使われた紙製の通貨で、商業の発展を支えた歴史的な決済手段です。
交子(こうし/Jiāozi)とは、中国の宋代(10〜13世紀)に四川地方で生まれた紙製の通貨で、世界史上最初期の紙幣の一つとして知られています。それ以前の中国では銅銭が主な通貨でしたが、重くて大量に持ち運ぶのが不便なため、商人たちの間で銅銭の預り証として紙の証書を使う慣行が生まれました。これが交子の起源です。
当初は民間の商人や両替商が独自に発行していましたが、北宋の時代(11世紀頃)に政府が交子の発行を管理・独占するようになり、公的な紙幣制度として整備されました。政府が発行する交子は一定の額面が保証され、銅銭との兌換(だかん)が認められました。
交子の普及には以下のような社会的背景があります。
- 宋代における商業・貿易の急速な発展
- 銅銭の不足と持ち運びの不便さ
- 都市経済の拡大と遠距離取引の増加
- 政府による財政上の必要性
しかし政府が財政難を補うために交子を過剰発行した結果、インフレが生じて価値が下落するという問題も発生しました。その後、南宋・金・元の時代にも紙幣制度は引き継がれ、「会子(かいし)」「宝鈔(ほうしょう)」などの名称で続きました。交子は紙幣という概念が東アジアで生まれた画期的な発明として、貨幣史・経済史の上で重要な位置を占めています。
使い方・例文
経済史の授業で「世界最古の紙幣」として交子が取り上げられ、宋代の商業革命と紙幣制度の誕生を学ぶ重要な事例として紹介される。
この用語をシェア
最終更新: